お久しぶりです。前原です。
先日、ようやく《鬼丸爆》が4枚揃ったの新弾発売前から注目していた赤黒ヒューマノイドの研究に着手しました。
【デュエプレ】ヒューマノイドがここまでプッシュされると思わなかったので考察 - 前原メモ (maebarasenuta.com)
したのですが...
その、なんといいますか、
《鬼丸爆》が凄い勢いでデッキから抜けていってしまいまして...
今回は、《鬼丸爆》が何故抜けてしまったのかと、「赤黒ヒューマノイドはこういう形もありなのではないか」という一案を発信させていただきます。
《鬼丸爆》が抜けてしまった理由
《鬼丸爆》本体が環境に合っていない
大前提として、《鬼丸爆》は弱いカードではありません。ただ、環境的に使いづらいのです。
その最たる所以はやはり《リュウセイ・ホール》や《吸い込むなう》が環境に蔓延っていることにあります。
進化元のヒューマノイドが根こそぎ潰されてしまう関係上序盤に《鬼丸爆》を着地させることは極めて困難。悲しいですが、これは受け止めなければならない事実といえます。
また、《プリンプリン》が《鬼丸爆》を除去せず止めてくるというのも逆風。環境トップクラスのデッキに入っている汎用パーツで当たり前のようにいなされてしまうのはエースとして適当とはいえません。
...そしてもうひとつ。
「効率的に《鬼丸爆》を使うためには、《マッスグ》を採用しなければならない」
これがとにかく厳しいのです。
《マッスグ》というカードはいうならば進化ヒューマノイド版の《ルピコ》です。
リュウセイホール環境でこいつがまともに機能するわけがないのです...
出しては吸い込まれ、出しては燃やされ、出しては「得意分野だ!」と殴られ。特に《吸い込むなう》は様々な構築に入っている汎用カードなので、《マッスグ》はほとんどの状況で死に札になってしまうのです。
そんなカード(しかもデッキの動きを鈍らせる多色)を4枚採用しなければならない。これはデッキパワーを著しく落とす行為に他なりません。
赤黒ヒューマノイドの強みとは
「でも、《鬼丸爆》の除去耐性を活かして殴るのが赤黒ヒューマノイドの基本行動でしょ?そこを抜いたらデッキとして破綻するのでは?」という意見があるかもしれません。
ですが大丈夫です。何故なら、赤黒ヒューマノイドの強みは別にあるのですから。
その強みとは、デッキカラーからは想像できないほどの継戦能力。
赤黒ヒューマノイドは良質な手札補充能力を持つ《モエル》や高パワーで火力に強い《ケンカボーグ》を有しています。
彼らをオリジナルカード《オニガエシ》で使いまわすことで、相手が除去札を切ることで得たアドバンテージを即座に取り返し、少しずつリソース差を広げていくことが可能になっているんですね。
ウィニーを並べていくテーマでありながら火力連打に耐性があるというのは極めて稀有な特徴であり、赤黒ヒューマノイド特有の強みだといって差し支えないかと思います。
今回作成したデッキはこの継戦能力を突き詰めたデッキです。
デッキ紹介
突然ですが、赤黒ヒューマノイドは手札0、更地の状態から3、4打点くらい作れるよと言ったら信じるでしょうか?
エイリアンの考察をしたことがある人だったら信じるかもしれません。
そう、できるんです。《エイリアン・ファーザー》がいれば。
《ファーザー》が《オニガエシ》を呼び(自前で軽くなるので同一ターンに出しやすい)、《オニガエシ》が《モエル》を釣り、その《モエル》が第二の《オニガエシ》を呼ぶ...こんな感じで、みるみる打点が増えていくのがこのデッキの特徴となっています。
赤黒ヒューマノイドの持つ継戦能力を突き詰めたデッキ、といった理由が伝わったでしょうか。
そして特筆すべきは《ファーザー》がしれっとエイリアンにスピードアタッカーを付与する能力を持っている点。並べたクリーチャーで即攻撃に移れるんですよね。
この奇襲性抜群の動きが、くせになります。
本デッキは、9連勝を達成。そのままマスターまで行くことができました。
採用カード紹介
斬斬人形コダマンマ
ヒバナ→オニナグリやヒバナ(ザビ・クラズ)→ファンク、ザビ・クラズ→ファーザーなどの動きを安定させるために入っているカードです。
ヒューマノイドではありませんがエイリアンではあるので《ファーザー》でスピードアタッカーになります。
必須ではありませんが、あるとデッキがよく回ります。
鬼姫ヒバナ/地獄のケンカボーグ
本デッキの2コストヒューマノイドです。
《ヒバナ》は《オニナグリ》や《ファンク》へ繋ぐことができたり、3ターン目に多色を埋めつつ《モエル》をプレイできるようにするカード。
《ケンカボーグ》はその高パワーから火力に強く、序盤の殴り返しにも使えるカードです。
ちなみに《ヒバナ》の能力はハンター/エイリアン以外を出した時にはカウントされない親切設計。色々と使い道があります。
例:場に《ヒバナ》がいて4マナある時、ザビ・クラズ→モエルと動ける。
ザビ・クラズ・ドラグーン
本デッキの初動です。本デッキのヒューマノイドは全員エイリアンなので、こいつでコスト軽減できるんですよね。
《エイリアン・ファーザー》に繋ぐのが理想ムーブではありますが、雑に《モエル》を連打するだけでも強いです。速攻デッキにはこいつから《ファンク》を投げてやりましょう。
火力に弱い点は《マッスグ》と同じなんですが、軽減範囲の広さと単色というのが偉大すぎますね。《マッスグ》と違い「退かされた場合のプラン」を組みやすいなと思います。
ハンマー野郎オニドツキ
ルドルフ天門対策枠。
ブロッカー破壊カードを多く有するヒューマノイドですが、《オニドツキ》を採用した理由は2つ。
1つ目の理由は《モエル》で拾えること。
2つ目の理由は《オニガエシ》で蘇生できること。
扱いやすく、優秀なカードです。
ただ、使わない対面では本当に使わないので3枚採用に抑えています。
鬼ライダーモエル
場に出たときにハンター/エイリアンを手札に加えられるヒューマノイドです。
このカードが無いとデッキが回りません。
《モエル》で手札に加えなかったカードは山札下に戻るので、余裕があれば何が戻ったかを覚えておきましょう。《オニガエシ》を絡めた連鎖プランを狙いやすくなります。
希望の親衛隊ファンク
実は《ヒバナ》でコスト軽減ができたり、《モエル》で拾えるカード。
絶対に強いと思ったので最初は4枚採用していましたが、単体では痒いところに手が届かないと感じ減量しました。
若干、《オニナグリ》と役割が被っていますしね。
サイキックメタというよりは青黒リバイバーを沈黙させる活躍が多い印象です。
涙の終撃オニナグリ
赤緑ハンター・野菜対策枠。
それ以外にも、ゼニス軽減サイクルなどシステムクリーチャーに刺さります。
《四つ牙》が破壊できるのも素晴らしい…のですが、大体横に《ヨーデル・ワイス》がいるのが困りますね。
エイリアン・ファーザー
本デッキのリソース源でありフィニッシャー。前述した通り、このカードが着地してからの動きは本当にすごいです。なんかもうキモいレベルです。
特にキモいポイントは、手札に加えなかったカードは墓地へ行くこと。《オニガエシ》を手札にキープしながら《オニガエシ》のリアニメイト先を用意できるのは無駄がなさすぎやしませんか…!
そして、おまけのように付いているスレイヤー付与能力。
場を空にしないよう立ち回れば、《永遠のリュウセイ・カイザー》で沈黙しません。
あまりにも強すぎるカードです。赤黒ヒューマノイドが超強いとは言いませんが、赤黒ヒューマノイドの《ファーザー》はバケモンです。
霊騎コルテオ
本デッキ唯一のシールドトリガー。
ノーガードで殴り合うデッキと最も相性の良いカードはスパーク系トリガーである……これは私が大好きな1弾環境から揺るがない事実です。
真面目な話、環境トップの「メンチ」系統は盾が厚いので、ファーザー+オニガエシの打点形成力を持ってしても貫通できないこともそれなりにあるんですよね。
そうなったら、スパーク系トリガーで切り返すしかありません。
闇マナの枚数がカツカツですが、強くお勧めしたいカードです。
《永遠のリュウセイ・カイザー》を重く見る場合のみ《コロリン》はアリかな...?
《DNA・スパーク》は《オニガエシ》《爆マル》のコスト軽減を邪魔するので非推奨です。
蘇生士オニガエシ
狂っています。こいつ、アンコモンのスペックじゃないです。
序盤はリカバリー要員として活躍し、終盤は言わずもがな。
《ファーザー》下のコイツって、《煉獄と魔弾の印》を内蔵した1コストのスピードアタッカーみたいなものですからね...
鬼ウッカリ爆マル
《オニガエシ》がおかしいので霞みますが、こいつもまあまあやっているカードです。
終盤《モエル》で釣れる1コストのスピードアタッカーが弱いわけないんですよね。
ちなみにライゾウなど盾が弱いリミットデッキには中型スピードアタッカーとして投げます。《スーパーヒーロー》圏外なのが嬉しいポイント。
立ち回り
リュウセイホール基盤系
《モエル》や《オニガエシ》を駆使して常に盤面を維持。《リュウセイ・ホール》をリソース補給に使わせないように頑張ります。
うまくいけばどこかでアクションが弱まるタイミングが来るので、そこで過剰打点を生成し一気に攻め込みます。
この対面で気を付けることは、《永遠のリュウセイ・カイザー》、《恵みの大地ババン・バン・バン》着地のタイミングを逆算すること。
あと、《母なる大地》採用タイプは大体《ボルシャック・スーパーヒーロー》もセットで採用されているので、殴るときは4000ラインを残すようにします。
アナカラーザビミラ
妨害も白トリガーもないのでメンチ系統よりは優しい相手。ただそれ故に序盤から攻めるのか溜めるのかの判断が難しいです。
個人的には途切れず展開できるならビートしていっていいと思っているのですが...煮詰まっていない部分なのであまり触れません
《ファンク》の刺さりが良いので余裕があれば設置したいところ。逆に相手の《ファンク》を考慮して《ヒバナ》の展開は控えめに。
あと、《オニナグリ》は《クルメル》を貫通してシールドを2枚割れるので適宜使っていきたいです。
ルドルフ天門
《オニドツキ》を手札に抱えた状態で序盤から刻めるとよい感じ。
大体何かしら踏んでしまいますが、《ルドルフ》下で踏むより数倍ましです。
《天門》はもちろんキツイですが、大群で攻めるデッキなので状況次第では貫通できることも。《HELL》は割り切り。
余談ですが、一度だけLOでルドルフ天門に勝ったことがあります。《オニドツキ》の使いまわしで持久戦もできるのだ...!
バルガライゾウ
先攻であれば小型ヒューマノイドで序盤から攻撃を重ねていきます。
《アカギガルムス》や《ボルシャック・スーパーヒーロー》が効かない《ケンカボーグ》と《爆マル》を駆使して戦っていけると理想ですね。
逆に後攻の場合は相手に手札を与えたくないので盤面を溜めます。火力対策になる《オニガエシ》は手札にキープしておきましょう。
手札が揃っていれば十分戦える対面ですが、厄介なのは《フェアリー・ギフト》。《リュウセイ・カイザー》や《バルガライゾウ》の早出しは計算が狂います。
ウィニーを並べてくるデッキ
赤緑ハンターとか、野菜とかブリザードとか、各種速攻とかそこらへん。
こいつらに対してはコスト軽減クリーチャーから《ファンク》あるいは《オニナグリ》を叩きつけます。(余裕があれば《ファンク》優先、後続のウィニーを根絶できるので)
後手に回ると厳しいですが、こちらには殴り返し用の《ケンカボーグ》、そして何より《コルテオ》がいます。決して不利ではありません。勝ちパターンがあるという意味では相性が良いとすらいえます。
ただし、VSブリザードは《ダイヤモンド・カスケード》でカウンターしてくるため《オニナグリ》で雑にシールドを割るのは危険です。できるだけクリーチャーを攻撃し、相手に手札を与えないように動くと良いです。
苦手な相手
確定除去がないので、デカイシステムクリーチャーを立てられるのがシンプルにキツイです。
例を挙げると、《ハングリー・ガントレス》。
退かせなくて、「まあいうてマナ10無いしいけるかなァ」と呑気に構えていたら《サイバー・N・ワールド》とのコンボでボッコボコにされました。「ただし使用可能マナは増えない」の一文が抜けてますよ運営さん???
一応、エイリアン界には《ザビ・オルゼキア》という生き物がいたりするんですが、枠が作れません...
あと、《ディアス》採用のMRCも厳しいです。盾で返され蓋をされがち。
このデッキでMRCと戦うには《ガガ・アルカディアス》を仕込むなどの工夫が必要かもしれません。(未検証)
おわりに
赤黒ヒューマノイドはずっと使ってみたかったデッキだったので無事触ることができてよかったです。《トイプーちゃん》と戯れるだけで終わらなくてホッとしている
除去耐性持ちの切り札で豪快に攻撃する本来の赤黒ヒューマノイドとはかけ離れたデッキになってしまいましたが、個人的にはなかなか満足いく仕上がりになったと思っています。
余談ですが、冒頭で紹介した私の過去記事。
今振り返ると的外れなことばかり言っていて恥ずかしい限りなんですが、《マッスグ》のコメントに
「単体で機能しない多色を採用したくない」
と書いてあって笑いました。考察段階で既に嫌ってたんかい。
ごめんな、《マッスグ》。《リュウセイホール》と《プリンプリン》が環境からいなくなったら使うからな...